2015.03.04

JIS規格の金庫とUL規格の金庫ってなに?

JIS規格の金庫とUL規格の金庫ってなに?

JISの耐火試験ってどんなもの?

JISにより規定されている金庫の耐火試験には、まず「標準加熱試験」があります。これは徐々に燃え広がる火災を想定したものであり、

  1. 金庫の壁面に新聞紙を貼り付け、軽く揉んだ新聞紙を入れる
  2. 金庫を炉内に入れ、「JIS標準温度曲線」に従って炉内の温度を加熱し、金庫内の温度を測定
  3. 各規定時間で加熱をやめ、炉内で自然放冷
  4. 金庫内の新聞紙の状態を確認
という試験内容(概略)になっています。

また、1995年の阪神・淡路大震災を契機として、金庫のより一層の性能向上を目指し、米国ULに準じる形で追加されたのが「急加熱・衝撃落下併用試験」です。これは急激な発火による温度上昇や爆発による衝撃などを想定したものであり、
  1. 金庫の壁面に新聞紙を貼り付け、軽く揉んだ新聞紙を入れる。
  2. 最初から1090度に加熱された炉に素早く金庫を入れて規定時間加熱する。
  3. 金庫に破裂がないか確認し、「JIS標準温度曲線」に沿って追加熱する。
  4. 加熱炉から金庫を出し、高さ9.1mから半砕けのレンガの山に落下させる。
  5. 逆さまの状態で炉に入れて再度加熱。
  6. 規定時間で加熱を止め、炉内で自然放冷。
  7. 庫内の新聞紙の状態を確認する。
という過酷な試験内容(概略)となっています。

JISとULの試験基準の違い

米国UL規格の「UL 耐火試験」では、まずJISの「標準加熱試験」と同等の試験を行い、さらにあらかじめ1093度まで加熱した炉に製品を素早く入れ、1時間耐火製品の場合は炉内で30分焼却して行われます。この結果、金庫内の温度が177度以下(通常の耐火金庫の場合)であれば合格です。米国UL規格ではこの試験に合格して初めて耐火製品としての認証を受けられます。

また、これとは別に「UL落下衝撃試験」が設けられています。こちらは1時間耐火製品の場合は843度で30分間焼却した後に炉から取り出し、2分以内に9.1mの高さから瓦礫上に落として、さらに843度で30分間再焼却します。これも金庫内の温度が177度以下に保たれているかを測定します。
総じて、ULの基準はJISよりも厳しい傾向にありますが、近年、その差は縮まっていると言えます。

規格は安全性の指標

金庫の性能を判断する指標として、JISやULによる試験合格マークがついているかどうかをチェックすることは有効な方法です。
また、ここでは大きく取り上げていませんが、日セフ連による「防盗性能」に関する試験に合格したマークがついていることも判断の材料になります。
では、これらの認証製品ではない場合はどうでしょう? その際はJISやUL、日セフ連以外の第三者機関による試験や、社内規定による生産、品質管理が行われているかどうかをよく見極める必要があります。
いずれにしろ、金庫の性能に関して客観的な基準による指標が示されているほうが安心できるでしょう。